山下花音(東京モード学園)
感情の糸
人は、一人では生きていない。
家族、友人、恋人、そして偶然すれ違う誰かとの出会い。その一つひとつが心に感情を残し、自分という存在を少しずつ形づくっていく。
目には見えない感情は、喜びや愛情だけではない。迷い、葛藤、嫉妬、期待、不安といった相反する感情もまた、人との関わりの中で生まれ、自分の一部となって積み重なっていく。
本作品では、その目に見えない感情を「糸」として可視化した。絡まり、交差し、ときにほどけそうになりながらも切れることなく存在し続ける糸は、人との関係性そのものを象徴している。
流れ続ける人々は止まることのない時間や社会を、静かに向き合う二人は、その時間の中で生まれる感情の瞬間を表現した。
ヘアデザインを感情の延長として捉え、髪の動きや質感、光と影、空間すべてを一つの感情表現として構成することで、人は誰かと繋がることで変化し、誰かとの記憶によって今の自分が紡がれているという想いを込めた。