『好き』を信じて表現し続けると、自分だけの世界観が磨かれていく
『Lond un Maison.』でトップスタイリストとして活躍するAkinaさん。作品づくりを通して自分らしい世界観を磨き、「ARIMINO PHOTO PRESENTATION 2025」美容師部門で最優秀作品賞を受賞しました。今回は、Akinaさんと(株)Lond クリエイティブディレクターで、Lond un Maison.のオーナーの山野俊貴さんに、クリエイションへの思いや「好き」を貫く大切さについてうかがいました。
※敬称略
―作品撮りを始めたきっかけ
- Akina
- 作品撮りを始めたのは、ロンドに入社してからです。それまでは地元の大分県にいて、作品撮りは一度もやったことがありませんでした。
でも上京する前から、いろんな作品を見て「こんな作品を自分も作ってみたいな」と思っていて。都会で美容師として挑戦したい気持ちと、クリエイションをやりたいという思いがあって上京しました。
たまたま山野さんがいる銀座店に配属になって、撮影に一緒に連れて行ってもらったり、自分でも作品を作るようになったのがきっかけですね。
―授賞式はどうでしたか?
- Akina
- 最初にノミネートの連絡をもらった時は、本当にびっくりしました。「すごいな」っていう気持ちが一番大きかったですね。
授賞式も、あんな大きな会場でやるとは思っていなかったので、それにも驚きました。
でも何より、お店のスタッフやいつも支えてくれている人たちに、その景色を見せることができたのがすごく嬉しかったです。本当に楽しかったですね。
―チームと環境の重要性
- 山野
- 最初はずっと一人で作品を作っていました。
そこに当時アシスタントだった子がメイクとして入るようになって、二人で作品を作るようになったんです。さらに、別の店舗で一緒にやっていたメンバーも加わって、ようやく「チーム」になれた感覚がありました。
それまでは「本気でやろう」というチームがなかったんですけど、本気で取り組める仲間が揃って、最後のピースが埋まった感じがしました。あれは本当に大きかったですね。ラッキーだったし、運命だったのかなって思います。
- Akina
- そういう挑戦ができる環境にいられることもすごくありがたいです。
みんなで夜中まで準備したり、撮影したりする時間もすごく楽しくて、その時間自体が今のモチベーションにもつながっています。
―評価とモチベーションの変化について
- Akina
- 自分が大切にしているのは、写真を見た瞬間にその人物像や世界観が伝わる作品を作ることです。
自分の「好き」を押し出すだけじゃなくて、その世界観を大切にして作ることで、見る人にもちゃんと伝わるんだということを、作品づくりを通して学びました。
作品撮りを始めた3年前は、コンテストで賞を取りたいというより、「自分の世界観を形にしたい」という気持ちで始めたんです。
でも、自分が「いいな」と思って作った作品を、審査員の方にも評価していただけたことがすごく嬉しくて、「もっとこういう作品を作りたい」と思うようになりました。それが今のモチベーションですね。
- 山野
- モチベーションを保てている理由は、遠い目標をずっと持ち続けているからだと思います。
18歳の頃から「JHAでグランプリを獲る」と決めていて、その気持ちは今も変わっていません。
途中でいろんなことがあっても、「そこを獲りにいく」という強い意志だけはずっと持ち続けています。
そして今は、自分がクリエイションを通して「美容業界ってこんなに面白いんだ」「自己表現の先にはもっとワクワクする世界があるんだ」ということを伝えられる存在になりたいと思っています。
それが今の自分のモチベーションですね。
―表現(クリエイション)で大切にしていること
- Akina
- 美容師なので、まずはヘアを可愛く作ることを一番大切にしています。
最近は「このモデルさんにはこういうヘアが似合うな」と考えながら、その人に合うデザインを探っていくことを意識しています。
モデルさんが決まってから、その人に一番似合うヘアやメイク、世界観を考えて作っていくんです。
実際に目で見るのと、写真として切り取るのでは見え方も違いますし、写真だからこそ雰囲気や世界観がより伝わる。その面白さが作品撮りにはあると思っています。
―好きを貫けることの大切さ
- Akina
- 例えば、大好きなアニメのキャラクターの髪型を見て、「この部分だけでも再現したい」と思うことは結構あります。
そういう好きなものからアイデアをもらうことは多いですね。
- 山野
- 僕の考えなんですけど、今は多様性の時代だからこそ、自分の「好き」を貫きやすくなったんじゃないかなと思っています。
昔は「勝つためにはこれをやる」という正解があって、そこに向かうことが当たり前でした。
でも今は、それだけを追いかけることで逆に可能性を狭めてしまうこともある。
だからこそ、自分の好きなものを信じて表現することが、より大切な時代になってきたんじゃないかなと思います。
―クリエイションのすすめ
- Akina
- クリエイションを始めてから、普段のサロンワークでもセンスがすごく磨かれたと感じています。
だから、今は興味がなくても、一度やってみる価値はあると思います。
やってみて合わなければやめてもいいし、「楽しい」と思えたなら、そこからもっと夢中になればいい。
私が美容学生の頃はクリエイションにほとんど触れてこなかったので、「もっと早く始めておけばよかった」と思っています。
だから迷っているなら、一回やってみてほしいですね。
ヘアだけじゃなく、メイクや衣装まで全部自分で考えることも多いので、トータルのセンスは本当に磨かれると思います。
学生のうちからたくさん経験したほうがいいです。
ずっと続けている人はやっぱり上手いし、感度もすごく高い。
スタイリストになった後も、その差はかなり大きいと感じています。
お金がなくても、工夫次第で作品は作れます。
今あるものを組み合わせて形にすることで、想像力もどんどん広がると思います。
―現代の特徴
- Akina
- 今、コンテストに挑戦している若い世代は、SNSでの発信も当たり前にやっています。
フォロワーを増やすことも、作品で評価されることも、サロンワークで売上を伸ばすことも、全部つながっている感覚なんだと思います。
クリエイションもSNSもサロンワークも、それぞれ別ではなく、自分の表現として全部本気で取り組んでいる人が増えている印象ですね。
なので、自分ももっと頑張ります!!!

Lond un Maison. 原宿
Stylist
Akinaさん
1998年10月16日生まれ。大分県出身。
福徳学院高等学校トータルビューティ科卒業後、大分市内のサロンに入社。24歳の時に上京し、東京・銀座を中心に全国に展開する「Lond」に入社。現在、「Lond un Maison.」でトップスタイリストとして、サロンワークを中心に、作品撮りやコンテストにも挑戦。昨年はSVKでメイクを学び、「ARIMINO PHOTO PRESENTATION 2025」美容師部門で最優秀作品賞。
株式会社Lond クリエイティブディレクター
『Lond un Maison.』『Lond re Maison.』代表
山野 俊貴(Toshiki Yamano)さん
茨城県出身。日本美容専門学校卒業後、都内有名店1店舗を経てLondに入社。1年目からクリエイションに注力し、8年間でヘアコンテストに50回挑戦。サロンワークでは”刈り上げ女子”、”ハンサムショート”で月売上400万円を達成。店長などを経て、2024年5月に『Lond un Maison.』、2025年8月に『Lond re Maison.』を原宿にオープン。