“好き”が原動力になる。作品づくりを続けるワケ
美容師としての技術や提案力を磨く日々のサロンワーク。その延長線上にある「作品づくり」は、彼女たちにとってコンテストへの応募だけでなく、自分の“好き”を表現する大切な時間でもある。今回は、そんな作品作りに情熱を注ぐ若手美容師おふたりに、その想いや経験を語ってもらいました。

―作品づくりとの出会について教えてください
- ririka
- 撮影を始めたのは、美容専門学校の時にクリエイティブコースに進んでからです。最近は撮影しながら自分の中で良い作品、納得のいく作品が撮れたらコンテストに挑戦したいという感覚で、フィードバックをいただきながら作品づくりに挑んでいます。
―“好き”をかたちにするということは具体的にどういうことですか?
- ririka
- モデルさん選びの時点から、自分の好きな雰囲気に合う方を選ぶようにしています。メイクや衣装、ヘアまで全部含めて“このモデルさんはこうしたら可愛い”を目指して作っている時間がすごく楽しい。
- MoMo
- クリエイションはサロンワークの延長。お客様に合わせるのが基本だけど、そこに自分らしさを少し足せるのが作品づくり。だから提案力や感性も磨かれるし、結果的に普段のサロンにも返ってくるんです。

―挑戦と継続のモチベーションはなんですか?
- MoMo
- お金がかかるという不安はありますが、それ以上に得られることの方が多いです。作品作りを続けてきたからこそ、アリミノNYフォトセッションにも行けた。そうやって“次”につながっていく感じが好きですね。
- ririka
- 衣装もほとんどがリメイクで、お金は極力かけずに工夫しています。だからこそ、自分の世界観をストレートに出せる。やってみて初めてわかる面白さがあると思います。
―環境と仲間の存在について教えてください。
- ririka
- 周りの先輩がたくさんアドバイスをくれる環境はありがたいです。一緒に作品を見て話しながら作り上げていくことで、毎回新しい発見があります。
- MoMo
- うちのサロンは“やる・やらない”を自由に選べるけど、やっている人を応援する空気があります。一緒に喜べるのが一番の価値だし、見ているだけでも“やってみたい”って思えるようになるはず。

―アリミノフォトプレゼンテーションをはじめとする作品制作に、どのような姿勢で向き合っていますか?
- MoMo
- “こんな人いないよね” ではなく、“こういう人いるよね” って思えるリアルな女性像が好きです。洋書の1ページのような世界観を意識して、トータルでの可愛さを目指してます。
全身を使ってファッション、メイク、ヘアをトータルで表現できる、アリミノフォトプレゼンテーションは貴重だと思います。美容師ってファッションが好きな人が多いのに、あまり出す機会がないのがもったいないです。
―写真のという表現方法について、どうお考えですか?
- ririka
- 最近は自分でカメラも始めてみようと思っています。自分の視点で撮れることで、表現の幅を広げられる気がして。
- MoMo
- 加工技術が進化する一方で、美容師の“感性”が埋もれてしまうのは少し残念。でも、作品を見るのは写真が入口だから、写真も大事にしたい。“可愛いから見たい”って思わせる写真を残したいですね。


アリミノフォトセッションin NY 2023 参加の様子
―若手美容師さんに、作品づくりについてアドバイスはありますか?
- ririka
- カラーやカットができなくてもウイッグやエクステなど工夫次第で挑戦できます。始めた頃は私も “何をどうしたらいいかわからない” ところからでしたが、やってみればなんとかなります。
- MoMo
- クリエイティブ作品って特別に思われがちだけど、もっと気軽にやっていいと思う。好きな写真集の1ページになれたら、というくらいの気持ちで。そういう小さな “好き” から始めてほしいです。
―これからの目標を教えてください。
- ririka
- これからも“自分の好き”を作品として残していきたいです。結果がついてくればもちろん嬉しいですが、何よりも“クリエイションをやっていて楽しい”が大事。
- MoMo
- 誰かが“こんな美容師になりたい”と思ってくれるような存在になれるよう、これからも続けていきたい。表現し続けることを、大切にしていきたいですね。
MoMoさん
京都府出身 大阪ベルェベル美容専門学校を卒業し北名古屋のin Chelseaに入社。入社後からオーナー照屋のもとでクリエイションを学び、受賞歴も多数。
SVKに通いヘアメイクを勉強し自社の教育や、他サロンのメイクの仕事依頼も受けている。
ARIMINO PHOTO PRESENTATION 2022 最優秀賞受賞。2023年アリミノNYフォトシューティングに参加。
ririkaさん
2023年 中日美容專門学校卒業
学生時代から撮影だけではなくコンテストにも出場。より学びたいと思っていたところin Chelseaの撮影の授業に感動し入社を決意。
ARIMINO PHOTO PRESENTATION 2024 審査員賞(SHIMA原田慎也賞)受賞。